リン過剰はカルシウム不足を招く。リンをバランスよく取って健康管理
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■ ミネラル
栄養学 バランス良く栄養補給
リン
▼ミネラル栄養学
1.ミネラルとは
2.ミネラル栄養学との出会い
3.ミネラル微量元素不足は病気の源
4.ガン予防に緑黄色野菜
5.元素どうしの拮抗作用
6.ミネラルの働きは鎖の輪
7.カルシウム
8.カルシウム不足はリン過剰から
9.不足しがちなマグネシウム
10.マグネシウムとカルシウムのバランス
11.マグネシウムが欠乏すると
12.カリウムとナトリウムのバランス
13.カリウムが不足すると
14.ケイ素
15.マンガンは愛情の塩
16.亜鉛と味覚障害
17.亜鉛は男性ホルモンミネラル
18.銅
19.鉄が不足すると貧血になる
20.成人女性の三人に一人は貧血
21.ヨウ素は甲状腺ホルモンのもと
22.セレンは精子の活性基
←ミネラル栄養学の目次
不足しがちなマグネシウム
糸川教授が都市型食生活の京都市内と、農漁村型食生活のマグネシウムの摂取量を調べたところ、農漁村型の方がマグネシウムを多くとっていることが分かっています。『都市型食生活は加工、冷凍食品が多いのが原因で、特に都市の女子大生は、1日200ミリグラム以下がほとんどで、危険信号です』と警告しています。
又、マグネシウムを低下させるのにリン過剰摂取が有ります。食事の中でマグネシウムの相対的濃度を低下させる食材の一つが、食事中の過剰なリン酸塩やリンです。それは通例リン酸というかたちであり、普通コーラ製品や他の多くの炭酸飲料に用いられるソーダー類です。
1988年夏、アメリカで開かれた国際マグネシウム・シンポジウムでも各国の研究者から『インスタント食品、加工食品の増加でマグネシウムの摂取量が少なくなった』という報告があります。
主な食品中のマグネシウムとカルシウムの量は下表の通りですが、日々の食生活の中でマグネシウムのとれる食事を心がける必要があります。
食品中マグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)
マグネシウム
(100g中 mg)
カルシウム
(100g中 mg)
スーパーベジタブル
900mg
1750mg
玄 米
120mg
10mg
白 米
22mg
6mg
ワ カ メ
9mg
100mg
ヒ ジ キ
567mg
1400mg
マグネシウム
アルファルファを原料とするスーパーベジタブルは、
マグネシウム「900mg」とカルシウム「1750mg」のバランス1対2で最適に補給できる野菜補助食品です。
マグネシウムの働き
マグネシウムは人間の体内では約50%が骨に含まれています。マグネシウムは神経バランスや多くの酵素に関係し、とくに蛋白質合成や糖代謝に欠かす事が出来ません。1日の必要量は300mg必要と言われますが、カルシウムの600mgと比べますと2対1のバランスでとる事が必要と言えます。
マグネシウムは、カルシウムが心臓の細胞内に入り込んで血管を硬化させるのを防ぐ働きがあります。マグネシウムが不足すると、心臓病の危険が高くなるだけでなく、高血圧の誘発や不整脈の発生にもつながります。またマグネシウムは生体内の色々な酵素やホルモンの働きに関与しているので、欠乏すると神経の興奮性が高まり、震えや筋肉のけいれんが起きます。気分がめいる・抑うつ症・不安感・錯乱などの異常も起こします。このほか、ガン・老化・糖尿病の網膜症や腎症などの血管障害の原因にもなっています。
糖尿病の人は特にマグネシウムと亜鉛の補給が大切です。糖尿病はいろいろなミネラルの不足が推測されていますが、今のところ確実に糖尿病で減るミネラルとしてマグネシウムと亜鉛が分かっています。この二つのミネラルが不足すると「糖尿病合併症」を引き起こしやすくなると言われています。
又、高血圧や疲労などにより、血管内部に傷がつくとその傷をふさぐ為にカルシウムが集まってきます。この状態が長く続くとカルシウムを取り込んだ細胞は死に、血管に沈着し動脈硬化が始まります。これが心筋梗塞や脳卒中につながりますが、マグネシウムには、このカルシウム沈着を防ぐ働きがあります。更にマグネシウムはカルシウムが血管を収縮させようとするのを防ぎ、血管を広げる作用もあります。
ところが今日、マグネシウムを1日220mgから270mg程度しか摂取していないため、不足状態で心筋梗塞が起きやすいと言われています。昔は塩化マグネシウムであるニガリを使って味噌、醤油、漬け物などの天然塩からマグネシウムが入っていましたが、現在では一般的に天然塩を使用しないため、マグネシウムがとりにくくなっています。小麦やトウモロコシなどマグネシウムを多く含む食べ物でも、生成加工するとマグネシウムは90%近くも失われます。又、ジキタリスや利尿剤の服用でも大量にマグネシウムを失います。
マグネシウムの多いひじき等精製の少ない自然食品を採る事に心がげると共にスーパーベジタブルなど補助食品なども利用すべきでしょう。
循環器病と深い関係
日本では従来からミネラル類のうちカルシウムだけを重要視する傾向があります。食生活の改善もこの面だけが強調され、マグネシウムの摂取はほとんど無視されてきています。食生活を改めてもう一度見直す時期にきています。
マグネシウムが私達の生体に必要な重要ミネラルとして注目を集めています。マグネシウムが不足すると心臓病や高血圧などにかかる危険が高く、しかもカルシウムとマグネシウムを摂取するバランスもきわめて重要であることが分かってきました。
1978年フィンランドのカルパーネン博士は、具体的にこの事実を示しています。食事中のカルシウムの総量をマグネシウムの総量で割り、その値をカルシウム対マグネシウム比としました。この比率と狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患の年間死亡率(人口10万対)との関係を国別グラフにすると『比率が高い程死亡率が高い』と出ています。『カルシウムに比べてマグネシウムの摂取量が少ないと、心臓病で死ぬ危険率が高い』ことになります。
マグネシウムと健康
食生活の関係を研究している京都大学糸川教授は、日本人の食生活は年々欧米化しており、カルシウムとマグネシウムの比率も、最近はカルパーネ博士の値よりもっと高くなってきていると説明しています。ではその比率はどれくらいが適当だろうか、糸川教授によるとマグネシウムはカルシウムの半分以上は必要だと言われています。日本人成人のカルシウムの所要量を1日600ミリグラムとするとマグネシウムは300ミリグラム必要となります。
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